曹洞宗梵音山 慈照院

年中行事

年間行事のご案内

一 月

修正会 三朝祈祷会(しゅうしょえ さんちょうきとえ)
年始の行事(正月3か日)
新しい年の始まりにあたり最初に営まれる法要です。
かつては、正月修法を略して「修正会」といいましたが、現在の曹洞宗ではこの名称は用いていません。
元旦から三日まで行われたことから「三朝祈祷会」ともいいます。
元旦を期して、一年間の世界平和や檀信徒の健康、仏法の興隆を祈ります。
多くの寺院では『大般若経』による祈祷法要として行われていました。
もともとは、「悔過」という儀式をつとめ、前年の過ちを悔い、修正する法要で奈良時代に始まりました。
現在でも、良き一年を迎えんがため、行われる大切な法要ですし、合わせてお札なども配られる場合もあるかと思います。
もし、開催の案内が来ましたら、一年最初のお寺参りということで、足をお運びください。

二 月

涅槃会(ねはんえ)
2月15日
2月15日は、お釈迦様がお亡くなりになった日にちで「涅槃会」といいます。
お悟りを開かれたお釈迦さまはその後、45年にもわたり、人びとに教えを説く旅を続けられました。
その間、多くの人びとがお釈迦さまの教えに導かれ、お弟子や信者となっていきました。
その伝道の旅の最期の地となったのは、クシナガラという所でした。
いよいよ自分の死が近いことを察したお釈迦さまは、弟子たちにこう説かれました。
「私の亡きあとは、私ではなく自分自身をより所として、また私が伝えた教えを、闇を照らすともしびとして、歩んでゆきなさい」
お釈迦さまは個人崇拝の対象となることを否定され、弟子一人ひとりが確かに、自立して進むことを求めたのでした。
そして「もろもろの存在は変わりゆく。怠らず精進しなさい。」という最期の言葉を残し、静かに息をひきとったのでした。

三 月

彼岸会(ひがんえ)
3月
彼岸会という行事は、特に日本にて盛んに修行されるもので、
古い記録では『日本後紀』巻13の「大同元年(806)3月辛巳の条」に、
「諸国の国分寺の僧をして春秋二仲月別七日に、『金剛般若経』を読ましむ」と出ています。
心ならずも死することとなった崇道天皇(早良親王)の無念を鎮めるためであったということです。
それが、徐々に世間に広まり、この一週間は、とにかく善行を行い善い功徳を積む期間として理解されるようになり、
お寺参りやお墓参りを行うようになります。

四 月

釈尊降誕会(花まつり)
4月8日
4月8日は、お釈迦さまのお誕生をお祝いする「花まつり」の日です。
お釈迦さまは、今からおよそ2500年前、現在のインド国境に近いネパールの地、ルンビニーの花園でお生まれになりました。
お釈迦さまの誕生日のお祝いを「花まつり」というのはこのためです。
シャカ族の王子としてお生まれになったお釈迦さまは、「ゴータマ・シッダールタ」と名づけられました。
一般的に「お釈迦さま」や「釈尊」と呼ばれますが、これは「シャカ族の尊い方」という意味を表す尊称です。
伝説では、お生まれになってすぐに七歩進み、右手で天を、
左手で地を指差し「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と宣言されたといわれています。
この言葉は「人は誰もが、かけがえのない命を生きている」という、仏教のもつ人間尊重の精神を端的にあらわしています。
またこの時に、お釈迦さまの誕生を祝った竜王が甘露の雨を降らせたとも伝えられています。
「花まつり」は、曹洞宗寺院だけでなく、多くの仏教寺院や仏教系の幼稚園、学校などで、広く行われています。
ルンビニー園の誕生の様子を表した「花御堂(はなみどう)」を飾り、
その中央には天地を指差した誕生のお姿を安置し、甘露の雨を模した甘茶をかけ、華やかにお祝いされます。
「人は誰もが、かけがえのない命を生きている」

夏 季

お盆・盂蘭盆会(おぼん;うらぼんえ)
7月13日・14日・15日
お盆は、お彼岸とならんで昔から行われている大切な仏教行事の一つです。
また正月とともに1年の大切な区切りであり、多くの親類縁者が顔を合わせ、
大切な方々との「つながり」を再確認する機会でもあるでしょう。
お盆の時期は地方によって様々ですが、一般には7月15日、
あるいは月遅れ盆(8月15日)や旧盆(旧暦7月15日)のいずれかに行われるのが一般的です。
その歴史は古く、『日本書紀』の中にはすでにお盆行事の記録が残っています。

九 月

両祖忌(りょうそき)
9月29日
両祖さまは、曹洞宗の檀信徒にとって信仰の上で特に大切なお方です。

道元禅師は、建長五年(1253)8月28日に54歳で、瑩山禅師は、正中2年(1325)8月15日に62歳で亡くなられましたが、
太陽暦では、いずれも9月29日になるということで、
この日を両祖忌と呼び、曹洞宗の各寺院では報恩の法要を営みます。
また、道元禅師の生誕を祝う高祖降誕会(こうそごうたんえ)(1月26日)、
瑩山禅師の太祖降誕会(たいそごうたんえ)(11月21日)も、大切な聖日です。

十月

達磨忌(だるまき)
10月5日
「七転び八起き」のことわざや「ダルマさん」の愛称で知られている達磨大師は、
初めてインドから中国に禅の教えを伝えられた方で、禅宗の初祖と言われています。
「震旦(中国のこと)初祖」または「円覚大師」ともお呼びし、宗門寺院では本堂の向かって左の段にまつられています。
赤い縁起達磨(ダルマさん)は、達磨大師が寒さよけに頭から「被」と呼ばれた
掛け布団をかぶって坐禅している姿がもとになっているとされます。

十二月

成道会(じょうどえ)
12月8日
12月8日は、お釈迦さまがお悟りを開かれた事をお祝いする「成道会」の日です。
お釈迦さまはシャカ族の王子として生まれ育つ中で、何不自由のない恵まれた生活を送っていました。
しかしある時「人は生まれてきた以上、必ず年老いてゆくし、また病気にもかかる。
そして何より死というものは誰にでも必ず訪れる」という自然の摂理に気づかれます。
この逃れようのない苦の現実をいかに受け止め、解決することが出来るのか。
お釈迦さまはその答えを求めて29歳の時に、王子の地位も、約束された将来も、恵まれた財産も、
そして家族すらもすてて出家の道へと入られたのでした。
その後2人の修行者のもとで禅定を学び、また6年にもわたる苦行を続けられるのですが、
この生活ではどうしても、本当の意味でのこころの安らぎを得ることが出来ませんでした。
除夜(じょや)
年末行事(12月31日)
「除夜」という言葉に見える、「除」という字は、「掃除」などにも使われるように、「お清めをする」という意味があります。
つまり、翌日の節分を前に、お清めをする夜ということで「除夜」といいました。
あるいは、カレンダーを換えるので、「暦を除く夜」という意味もあるとされています。
その意が転じて、現在では大晦日の夜を除夜と称するようになりました。
かつての旧暦の頃は、1月1日は、1年の始めの日でしたが、合わせて立春でもありました。
よって、今でも「新春」という言葉をお正月に使うわけです。
この日には、「除夜の鐘」を撞く行事が有名です。この日に鐘を108回撞く意味については諸説あるようですが、
一番良く知られているのが、108という数が人の煩悩の数であり、これを消除するためであるとされています。
他にも、1年の12ヶ月+24節気+72候を合わせて108とする説や、四苦八苦を4×9+8×9=108として数える説もあるようです。
また、本来は除夜だけでなく、毎日の朝・夕に撞かれるべきものですが、普段は略して18回に留められます。
このような、鐘を鳴らすことは中国の宋の時代に始まったものとされております。

除夜を迎える前に大掃除をし、心穏やかに年末を過ごしたいものです。

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